どうも!コイシェフです。Benvenuti!
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本日はピッツァについて書かせて頂きます。
イタリアンといえばパスタとピッツァというイメージがありますね。
熟練された職人の手技による軽い食感の生地、フレッシュ感のあるトマトソース、ジューシーなモッツァレラ、香り高いバジル。
都内にあまたあるピッツェリアで、あなたのお気に入りのお店はありますか?
そんなピッツェリアに行く時に、気をつけた方がいいこと、知っていると鼻高々になる情報等を発信致します。
なおピッツェリアも含め、レストランの種類などの記事を以前書きましたので、リンクを貼っておきます 。
それではよろしくお願いいたします。
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目次
(1)カットされてないピッツア。熱!どうやって食べるの?
最初に話しておきます。日本にあるピザ文化は、アメリカから輸入されたものです。
イタリアのピッツァとは根本的に別物とお考えください。
日本で食べる有名チェーン店では、ピザは最初からカットされていて、手づかみで食べます。
これがピザですよね?
みんなでワイワイ取り分けて、パーティーなどでは必ず2、3枚はテーブルに乗ったりします。(コイシェフも好きです)
近年、日本でもナポリピッツァのお店がたくさん出店し、
店員さんが、「お熱いうちにお召し上がりください!」と言って丸くて熱々のピッツァが提供される。
切れてる?(キレてな-い笑。某コマーシャルから)
店員さん切り忘れてしまったのか?
→NOです。 ナポリピッツァは基本カットされていません何故か?それは冷めるからです。
そう。ナポリピッツァは冷めるにしたがって、美味しさはどんどん下がっていきます。
僕のいたレストランでは、賄いの際に、ピッツァを焼いてくれた職人は、
自分のポジションの掃除も後回しにして、みんなに熱々のピッツァを食べてもらうよう促しておりました。
ではどうやって食べるのか?
イタリア人は、ほとんどみんなピッツァはフォークとナイフで食べます。
そしてどのピッツェリアに行っても、一人一皿 です。
「1枚ちょうだい!」とかのやり取りはあまり見られません。
- アメリカ流- カットされているピザを手 で掴み、パーティーなのでみんなで食べる。
- イタリア流- カットされていないピザを、フォークとナイフで一枚ずつ自分でカットして食べる。基本一人一皿。
ちなみにイタリアでも、バールで売っている「切り売りピッツァ」は手づかみで食べます。
生地が厚くて小ぶりですし、つかみやすくできてるし、何しろ立ち食い前提で売っているものだからです 。
薄い円形ピッツァも、登場したての昔は、立ち食い用に売られていて、丸いものをクレープのように扇状に折って食べていました。
テーブル席を用意したピッツェリアができ、座って食べるようになると、
「それならばきちんとフォークとナイフで食べよう!」ということになったのです 。
一種のおしゃれ感と言いますか、スマートさが持ち込まれたんですね 。
それに、コーラやビールを飲みながら食べるのに、ナイフとフォークなら手が汚れなくて済むし、焼きたての熱々を無理なく食べれます。
上にかけたオイルが流れることもなく、サイズが大きくても食べやすい、などのメリットも盛り沢山です 。
(2) ピッツェリアにタバスコがないのはどうして?
ピッツァが運ばれてくると反射的にタバスコをかけたくなる。
近年はあまりお見かけしませんが、40代以上の方(コイシェフも)ならそんな経験があるのあるのではないですか?
昔の日本ではピザにタバスコをかけるのが普通でした 。
最近はイタリア直輸入のナポリピッツァの流行でタバスコを置く店は少なくなりましたが、
それでもピザを見るとタバスコをかけたい衝動にかられる人もいることでしょう。
ピザとタバスコの組み合わせは、アメリカからの輸入文化です。
辛い物好きなアメリカ人が生み出した食べ方で、ピッツァ発祥の地、イタリアにはありません。
アメリカ人観光客の多い店ならひょっとしたら置いてあるかもしれませんが、ないのが普通。
ピッツァは既に十分味が付いてますし、あれもこれもとタバスコをかけてしまったら、みんな似たような味になってしまいますからね。
ピッツェリアにはタバスコはありませんが 、ピカンテオイル (辛いオイル)はあります。
これは、オリーブオイルに唐辛子を漬け込んだもので 、あるか?サービスの方に尋ねてみましょう。
(3)ピッツアの縁、残す?残さない?
レストランで働いているとよく見る光景が、ピッツアの縁が残されて返ってくるということ。
ピッツァの縁は、コルニチョーネ(cornicione)といい、
ピッツアの職人(ピッツァイオーロ)が、丸い生地の中の発酵ガスを、手で内側から外側に押していき、ピッツァはこのガスによって釜の中で膨らむ。
初級者のピッツァイオーロは、生地を伸ばす際、このガスを手でつぶしてしまい、
焼き上がりのピッツァの縁も目の詰まったものになり食感が重いものになります。
上級者のピッツアイオーロは、このガスを生地に留めたまま焼き上げるので、
食感が軽い、女性でもピッツァ1枚食べれるようになるのです 。
生地一個のグラムは一緒でも、ピッツァの重い、軽いはこういう理由があるわけです 。
僕はこのコルニッチョーネが好きです 。
確かにソースが塗ってあって、チーズもある部分はそれはもちろん美味しいのですが、
コルニッチョーネの部分は、生地の美味しさを味わえます。
ピッツァイオーロは粉の配合を考え、その日の湿度や気温によって、冷蔵庫の温度を変え、
加水(生地を練る時に入れる水分量)も調整してピッツァの生地を作ります。
ピッツアイオーロは、毎日同じ工程を繰り返しながらも、経験によって微調整をしています。
その生地の完成形がコルニチョーネにあります。
僕もナポリでピッツェリアのはしごをしていた時に勉強したくて、ピッツァを注文しますが、
お腹がいっぱいになり過ぎて、コルニチョーネを残してしまったことがあります。
ですが、そうでなければ次からはコルニチョーネの仕組みを理解して食べてみてください 。
また違う驚きがあるはずです。
ちなみに、後日知ったのですが、
イタリアのピッツェリアでも頼めば1枚のピッツア生地のグラムを、小さいものに変えてくれるお店もあります。
ですが僕は頼んでも小さめにしてくれたことはないです。
女性は小さめにしてくれているのに!ナポリ人らしいです笑
(4)ピッツア·マルゲリータ(Pizza margherita)
ナポリピッツァといえばあまりにも有名なピッツァマルゲリータ。
元祖ではないものの、今やこれなくしてナポリのピッツァは語れません。
ピッツァマルゲリータが誕生したのは、1889年。
時のイタリア王ウンベルト一世の王妃マルゲリータに捧げられて…が定説です。
国王夫妻が、バカンスでナポリを訪れた時に、町で人気のピッツァを所望したため、選ばれた職人のラファエーレ·エスポージトが、
それまでポピュラーだったトマトとモッツァレラチーズの組み合わせに新たにバジリコを加え、
赤、白、緑のイタリアンカラーにして献上しました。
その記念に「マルゲリータ」の名前をつけていただいたのがいわれです。
ちなみに、ナポリで、マルゲリータ発祥のレストランとして紹介されてるのが、Pizzeria Brandi(ピッツェリア·ブランディ)
僕もナポリに来て、最初に行ったレストランでした。感動しました!
(5)ナポリピッツアはどうして、いつ頃に登場するの?
①、いつ頃?
ナポリにピッツァが誕生したのは、17世紀も半ばを過ぎた1660年。
この年がナポリピッツァの発祥の年だ。
この当時はラード、バジリコと粉チーズを乗せて焼いたもので「マスゥトゥニコーラ」と呼ばれたピッツア。
一説によると、最初はラードとニンニクだけを乗せて焼いたものと言われている。
当時の南イタリアでは、オリーブの栽培が盛んではなく、従って油脂といえばオリーブオイルではなくらラードだった。
発祥当時のピッツァにはトマトソースは使われていなかった。
トマトの発見は、15世紀から始まる大航海時代1492年にコロンブスが西インド諸島に到達したことを機に、
メキシコで栽培されていたものが発見されスペインに持ち帰られる。
トマトはスペイン王国を通してヨーロッパ各地に広がっていく。
しかし、当時のトマトは観賞用で、毒があると信じられていたもので長らく食用にはされなかった。
1750年頃「ピッツァマリナーラ」(pizza·marinara)が誕生する。
とはいえ、それはピザ生地にトマトソースとオイルをかけたシンプルなもので、これが歴史上トマトを使ったピッツァの最初の例である。
このピッツァはパン屋で生まれた。
当時のナポリ漁師が、パン屋に作らせたことから広まった。
早朝の漁から戻った漁師たちが、空腹を手っ取り早く満たすため、近所のパン屋に立ち寄ってありあわせの食材を組み合わせて作らせたのが始まりだとか。
にんにく、トマト、オレガノの組み合わせが魚介類のソースとして当時の定番であったからとも言われている。
1850年頃にはマルゲリータの原型が誕生した。
モッツァレラも乗せたピッツァであり、モッツァレラとトマトソースの組み合わせが初めて生まれた。
そして1889年には「ピッツア·マルゲリータ」が誕生する。
②、どうしてナポリ?
ところでピッツァはなぜナポリで生まれ、広がっていったのか?
海が山に迫り、大きな平野が少ない南イタリアは、工業化が進まず他と比べて貧しいと言われている。
ナポリもそうした街の一つ。
古くから漁港として栄えた庶民の街で、気軽に安くて早く食べられ、しかも栄養があってお腹がいっぱいになる食事としてピッツァは生まれ広がっていった。
ピッツァ発祥の当時、ピッツェリアはピッツァを焼くだけの店で、店にはテーブルや椅子は置いてなかった。
そこで街中で見られたのが、ピッツァを売り歩く人達であった。
ピッツェリアで焼いたピッツァをテイクアウトしたり、出前のようなスタイルで売る人がいた。
お客も立ったまま食べるか、家に持ち帰って食べたという。
座って食べるようになったのは、1700年代末から1800年代初頭の頃。
しかし当時は、店の壁のそばに簡単なベンチを置いただけで、皿も食器も置いていなかった。
その後ピッツァを食べる人口が増えるにしたがって、
落ち着いて食べられるように椅子、テーブルを置くようになり、現在のピッツェリアの形になってったそうである。
(まとめ)
ピッツァのマナーや有名なピッツァ·マルゲリータ、またその歴史の基礎をご紹介いたしました 。
僕は思います。
レストラン的にあからさまな NG 事項などはあるにしろ、そういうことを知っているならば、結局は好きに食べるのがいいと思います。
僕がこうしてレストランの事を書いているのも、
レストランのことをよりたくさんの方に知っていただき、自分のニーズに合った使い方をしていただければと思っております。
Ciao!arrivederci!バイバイ(^^)v
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