おはようございます!コイシェフです。Benvenuti!

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本日も前回同様、コイシェフの愛読書、”プロのためのパスタ事典”(柴田書店さん)からお写真を引用させていただき、

各パスタとの思い出や背景などをお話しさせていただきます 。

(1)イタリア北部のパスタ

①、アニョロッテイ·デル·プリン(agnolotti·del·plin)

アニョロッテイ·デル·プリン(agnolotti·del·plin)

ピエモンテ州のパスタですね。

「プリン」というのは、ピエモンテ方言で「つまむ」という意味です。

このパスタは見た目もかわいいし、大量生産しやすいのでコイシェフも好きです。笑

前回も少しお話ししましたが、この手の詰め物パスタの中身は肉のペーストが定番です。

それからじゃがいも。リコッタなどですね。

語源としてはanotto(アノット)、ピエモンテの方言で羊のことです。

アニョロッティも、このパスタを作っている時の様子なのか?

バターとチーズで和え、お皿に盛った時の様子なのか?が羊たちの群れに見えたのか。

当時のネーミングセンスは最高にイメージを掻き立てられます。

(2)イタリア中部のパスタ達

①、フェトチーネ(fettuccine)

フェットチーネ(fettuccine)

形はタリアテッレとほぼ同じです。

タリアテッレはエミリア=ロマーニャ州発祥で、イタリア全土に広まりましたが、

フェットチーネは、ローマ一帯の呼び名です。

語源としては、「リボン」の意味を表すフェットゥッチェからきています。

ソースで和えて、お皿に盛った様子がリボンの様だったのか?

タリアテッレが広まる以前は、このフェットチーネをレストランでも使っておりました。

今は、もうこの形状のパスタを使うならタリアテッレというレストランが多いでしょう。

ただ、タリアテッレは卵麺なのに対し、

フェットチーネは卵麺が主ですが、卵が入らない物も見かけるので、その辺の使い分けでしょうか。

ただ今はパスタにほうれん草やトマトを練りこんだりするのは当たり前なので、

使い分けはシェフの好みとなると思います。

②、パッパルデッレ(pappardelle)

パッパルデッレ(pappardelle)

パッパルデッレは最も幅広な手打ちロングパスタです。

パッパルデッレといえば、猪のラグーですね。

栗を入れたり、ポルチーニを入れたりと、考えただけで美味しそうですよね笑

パッパルデッレの登場季節は秋から冬にかけてが多いです。

これだけ幅広なパスタですので、赤ワインで煮込んだような重いソースとよく合います。

ジビエで有名なトスカーナのワインとの相性がいいと思います。

(3)イタリア南部のパスタ達

①、シャラティエッリ(scialatielli)

シャラティエッリ(scialatielli)

カンパーニャ州のアマルフィ発祥のパスタです。

コイシェフもよく食べた、大好きなパスタです。

牛乳やペコリーノを配合する珍しいパスタで、バジリコも一緒に練り込みます。

このパスタは厚さが難しく、ナポリでもなかなかベストなものは見かけませんでした。

配合的に強力粉が多いので、パスタを伸ばす時にストレスをかけすぎると縮んでしまい、気づくと厚いパスタとなってしまいます。

これを回避するには、パスタを練ってから冷蔵庫でしっかり休ませること。一晩が望ましいです。

パスタを伸ばす時もなるべく徐々に薄くしていくこと。

パスタマシーンで、いきなり薄いメモリで伸ばすと、ストレスがかかり過ぎてしまいます。

大体茹で時間は7分位で、もちもちに茹で上がるような厚さにしたいです。

それ以上ですと、いくら茹でてもこのもちもち感を出すのは難しいです。

アマルフィの港町発祥のパスタですので、魚介類と合わせたいです。

ナポリでは、アサリとクルミのクリームソースというメニューもありました。

写真がないのが残念ですが感動する美味しさです。

コイシェフがレストランを開業しましたらメニューに載せます!

②、ブッシャーティ(busiati)

ブッシャーティ(busiati)

シチリア州はトラパニ発祥のパスタ。

「ブジアーテ」とも呼ぶ。

語源としては、「ブージ」という水辺に生える葦(あし)の仲間の植物の、枯れたものに巻き付けて作ってたことから、「ブジアーテ」と呼ばれるように。

その複数名称なので、「ブジアーティ」→「ブッシャーティ」

その後は、家庭で竹串を使って作られるようになり、今に至ります。

料理としてもシチリア産の物と合わせるお皿が多いです。

ウニやマグロのカラスミ(卵巣の塩漬けを水で洗い、天日干しした物。ボラのカラスミは有名)や、

ケッパー(植物のつぼみの酢漬け。シチリアでは塩漬けが有名)など多彩です。

このブッシャーティですが、僕が勤めていたレストランの上司だったチーフマネージャーが、

成形するのが本当に上手で、おそらく日本一綺麗なブッシャーティだと思いました。

③、フィレイヤ(fileja)

フィレイヤ(fileja)

カラブリア州南部の伝統的なパスタ。

語源は定かではありませんが、

カラブリア州にフィレイヤという棒があるそうで、

その棒に巻き付けて成形したところからついた名前なのでは?ということです。

このパスタで一番気をつけなければならないのは、成形後、よく風に当てて乾かすこと。

それによって、この独特な形が維持されるのです。

そうでないと、ボイラーに入れた途端に、一反木綿(いったんもめん)のような平手打ち麺として茹で上がります笑。(コイシェフ失敗談から)

ソースはもちろん、カラブリア発祥のンドゥイアと、

同じカラブリアで有名なトロペア産赤玉ねぎを使った辛いトマトソースであえること。

(注意)ンドゥイアとは?

ンドゥイアとは、カラブリア州南部の村発祥で、豚の脂や内臓を大量の唐辛子とともにペースト状にして 豚の腸に詰めたものである。

④、パッケリ(paccheri)

パッケリ(paccheri)

カンパーニャ州の代表的パスタ。

僕はレストランで、乾麺でしか扱ったことがないが、手打ちでパッケリを仕込むシェフもいるらしい。

グラニャーノのパッケリが最高だが、

このパスタ、少々大きくて一口では食べづらい。

なので、ナイフとフォークのお食事をお勧めします。

同じグラニャーノの、パスタリストの中にメッツェ·パッケリなる、半分の幅のパッケリというもある(現在もあるか?)

それならば食べやすい。

パッケリは、パスタ自体肉厚で、どんなソースとも合う。

ポルチーニを使ったクリームソースや、ワタリガニのラグー、イノシシの赤ワイン煮など、

ナポリ料理の一つに、鮮魚のアクアパッツァとそのソースで和えたパッケリを一つの皿に盛り付けるものもある。

⑤、トロッコリ(troccoli)

トロッコリ(troccoli)

プーリア州発祥のパスタ。成形する道具が違うだけで、形はキタッラと同じです。

僕がナポリにいた時によく見かけたのは、木製の「トゥロッコラトゥーロ」というシート状のパスタの上を転がして細長く切る道具。

現在は木製が一般的だが、昔は真鍮で作られていた。

木製の「トゥロッコラトゥーロ」

僕が働いていたレストランのグランシェフが、当時現地で使っていた真鍮(しんちゅう)の「トゥロッコラトゥーロ」を見せてくれたことがある。

重量感があって、迫力があった。

このトロッコリ、歴史は思いのほか古く、

以前ご紹介させていただいた「キタッラ」というパスタをご存知だろうか以下にリンクを貼っておきます。↓↓↓

https://koichefblog.com/?p=393

このキタッラがアブルッツォ州で登場する以前、この系統のパスタはトロッコリしかなかった。

しかし、産業革命が各地で起こり、音楽という文化が庶民にも広がってくると、

同時に、板に弦を張った、キタッラという製麺道具が生まれ、トロッコリにとって変わったというわけである。

(まとめ)

パスタは本当に奥が深い。

伝統的に合わせるソースや、地方料理としてのパスタについては後日、[地方料理編]などでご紹介させていただきます。

次回、[パスタ紹介編3]をお待ちください。ただいま執筆中です。ε=(ノ・∀・)ツ

コイシェフ

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