どうも、コイシェフです!Benvenuti!

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前回は秋の味覚の王様、トリュフについてお話ししました。

今日は北部イタリアのお米について勉強してまいりましょう。

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(1)イタリアのお米事情

イタリアではお米はリゾットが最も有名な使い方ですかね。

それ以外にもスープの浮き身にしたり、お米のプディングにしたり、サラダとして食べたりとその用途は様々です。

そもそも、お米はサラセン人によって10世紀にシチリアに入り、ポー川流域に導入されたのは14世紀の初めだそうです。

イタリアではピエモンテ州のヴェルチェッリ地方からノヴァーラ地方にかけての米作が最大で、工場もあり最も発達しています。

農家の方はもう何代も米作りに従事している家が多く、中には米作を学びに日本に勉強しに来るイタリア人もいるそうです。

ピエモンテ州の広大な稲作地

そしてヨーロッパへ持ち込まれた米はスペインではパエリアとなり、アラブ·アフリカの影響の強いトルコなどではピラフとなりました。

中世からルネサンスにかけて米は同時に持ち込まれたと推定される砂糖とともに使うことが多く、

お米のプリンなどデザート類にもよく顔を出していましたが、今日ではあまり見かけなくなっているようです。

  • スペインーパエリア
  • トルコーピラフ
  • イタリアーリゾット

①、パエリア·ピラフ·リゾットの違い

●パエリア

パエリアはここ数年ではスペインバルなどが次々にオープンし認知度もかなり高いですよね 。

パエリアパンと呼ばれる薄型の特殊なフライパンに、ブロードを注いでお米を具材と共に炊き上げる。

蓋を開けると鼻をくすぐる食材の香りとサフランの香り。

近年ではキッチンカーでもちょくちょく見られる料理ですね。

昔勤めていたお店に、スペイン出身の女性がおりました。

その方に賄いを作ってもらったことがあります。

本当に聞いたことのない料理ばかりで、こんなものがあるのか!と驚いたものです。

その中に当時まだそれほどメジャーになっていなかったパエリアがありました。

名前だけは知っていましたが、初めて作っているところを見てなんて豪快で華のある料理なんだ!と思いました。

確かにその女性はプロではないので、お米の火の入り方にムラがあったりとしましたが、

この料理の本質を見せていただいたと感じました。その女性とは今も友達です。

●ピラフ

ピラフに関しては日本に定着したのはさらに古いイメージです。

チャーハンとピラフって何が違うの?と当時の先輩に尋ねたのを覚えています。

ピラフはトルコが発祥という説が多いです。

お米は生米を使用します。

生米と玉ねぎ、人参を一緒に炒めて、ブロードを入れて炊いていく、そんな料理です。

出来上がりはしっとりしていて、バターもよく使います。

具材としてはプリプリの海老が一番使われます。

では、チャーハンはどうか?

チャーハンは皆さんご存知の通り中国発祥で、生米ではなく炊いたご飯を使います。

何なら冷凍したご飯も使いますね。

具材は様々で、ハムやピーマン、玉ねぎ、人参。

味付けも醤油だったり、塩のみだったり。

よく賄いで作っていました。

ご飯にあらかじめ卵を入れておくと黄金チャーハンだと言って笑

当時はバターが入ったらピラフなのかな?と思っていましたが。

チャーハンといえば焼き飯という料理もありますね。

焼き飯とは関西圏発祥です。

ここがチャーハンと焼き飯の違いです。

焼き飯とは鉄板料理のことです。

このブログはイタリア料理がメインですので、この辺にして次はリゾットについて話しましょう。

●リゾット

リゾットは 以前の記事も書きましたね。

リンク貼っておきます。

https://koichefblog.com/_riso/

イタリアのレストランから

リゾットは知っての通り、riso ottimo、「最高のお米料理」と紹介されるイタリアの代表的なプリモピアットです。

プリモピアットとは、第一の皿という意味で主にパスタと同じ位置です。

こちらも生米にブロードを足しながら炊いていく料理のですが、ピラフとの違いはその仕上がりです。

ピラフがしっとりと炊き上がるバターの香りに対して、

リゾットはオリーブは油で水分を乳化させた濃度のある、厳密に言えば違うのですが、おかゆに近い見た目です。

コイシェフがまだ若かった頃、先輩にリゾットの仕上がりに何度も注意を受けたことがありました。

当時のコイシェフは正直何が違うのか?見た目そんなに変わらなくないか?注意受けるくらいの差って何?わかりませんでした。

その時言われた言葉、「お前、イタリア行って来い」と「リゾットもパスタと同じ。イタリア料理は乳化なんだよ!」と。

それから少し年月が経ち、コイシェフ、イタリアに行きました。

リゾット食べました。

今まで作っていたリゾットとは全然違いました。

盛り付けなどはひいき目に見ても綺麗とは言えませんでしたが、当時の先輩のおっしゃる通り、乳化したソースと一体となっていました。

それでいてスプーンではなくフォークで食べれる濃度があります。

それからもう一つ。

イタリア料理に入っている野菜は基本クタクタになるまで火を入れます。

そしてその野菜が溶け出し、乳化に役立ちパスタやリゾットに濃度をもたらすのです。

ピエモンテ州の水田風景

(2)魚介類豊富な港町ヴェネト州

ヴェネト州といえばヴェネツィアですよね 。

水の都ヴェネツィア、シェイクスピアの舞台にもなった有名な街です。

特筆すべきは何と言っても豊富な魚介料理。

アドリア海に面したこのヴェネツィアには、新鮮な魚介類を店頭に並べる店が多いです。

タコやイカ、ウナギといったアルプス以北の西洋人は食べないとされているものも多いです。

エビなどは新鮮で、店頭でピンピン跳ねている光景も見られます。

この地方の魚料理で地方料理と言われるものは少ないです。

なぜかというと、この新鮮な魚介類は焼いたり揚げただけでそれは最高に美味しい皿になるからです。

しいてあげるなら、干し鱈を牛乳、オリーブ油、にんにくで煮込み、クリーム状にしたバッカラマンテカート(baccara mantecato)でしょうか。

パンや、ポレンタと一緒につけて食べます。

スカンピを使った料理もありますね。

オリーブ油とレモン汁だけでサラダにしたり、リゾットに入れたりします。

①春のリゾット(risi e bisi)

ヴェネト州にはポー川流域に米の産地があるため、米料理·リゾット料理も有名です。

ヴェネトのリゾットで最も有名なのはリーズィー·エ·ビーズィ(risi ·e ·bisi)です。

ヴェネツィアの方言で「米とエンドウ豆」という料理ですが、

春、新鮮な採れたてのエンドウ豆をさやから外し、バターで炒めたところにサヤでとったブロードを注ぎ、米を入れて炊き上げる。

仕上げにパルメザンチーズというなんともシンプルな料理ですが、どこの家庭でも春先になると登場する料理なのです。

南イタリアにもこのエンドウ豆を使った 料理はあります。

パスタ·エ·ピゼッリ(pasta ·e ·piselli)です。

この料理はリゾットではなく、パスタを折って小さくして入れるのですが、バターではなくオリーヴ油で仕上げるのが特徴です。

コイシェフのいたレストランでも、毎年春先にはこのパスタ エ ピゼッリを出していました。

新鮮なエンドウ豆が入荷する1ヶ月くらいの間しか提供できませんが、この料理を仕込んでいると春を感じます。

②黒いリゾット(risotto nero)

“人気のイタリアン”から

もう1品挙げるとすれば、イカスミのリゾット(risotto nero)です。

スミイカと呼ばれる体内にぷっくりと大きい肝と墨を持っているイカで作ります。

その身を肝と一緒に炒め、白ワインと墨で煮込んでいきます。

出来上がりは真っ黒笑

このベースに米を入れてリゾットにします。

南イタリア料理にもイカスミ料理はあります。

ですが、その仕上がりが違います。

南イタリアのイカスミ料理にはトマトが入り、ベースの色も真っ黒ではなく少し赤みがかった黒になります。

またバターなどは使わずにオリーブ油で仕上げます。

(まとめ)

最近は皆さんと一緒にこうして地方料理を書いていると、イタリア料理が本当に恋しくなります。

今コイシェフが働いているレストランは、イタリアンなのですが、料理はフレンチに近いのです。

最近はあの口に入れた瞬間に旨い!と思わせるパスタ料理や、美味しいピッツァも食べてないなと感じます。

あれ程食べ飽きていたと感じた賄いのイタリアンも今は懐かしく感じます。

コイシェフ

ciao! arrivederci! バイバイ(^^)v

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