どうもです。コイシェフです!Benvenuti!
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本日は前回に引き続きパスタについてと、その経験をお伝えさせていただきます。
今回の記事、お写真ですが、僕の愛読書である”プロのためのパスタ辞典”(柴田書店)から引用させていただきました。
本格的にパスタを勉強するなら、絶対読んだ方がいい1冊です。
目次
(1)イタリア北部のパスタ達
①、ビゴリ(bigoli)
ビゴリ(bigoli)
ヴェネト州の代表的パスタ。
ビゴリのパスタ生地は本当に固い。
加水もギリギリにして繋がるか繋がらないか位。
そのままではまとまらないので、真空して1時間ほど冷蔵。
出して、また練り、真空する。
なぜそこまで固く仕上げるのか?
上の写真、ハンドル式圧搾機(ビゴローラー)によって、この固いパスタを文字通り絞り出すのです。
それによって、スパゲティをよりやや太めで、表面はザラザラとしていて、ソースがうまく絡まりやすくしているのです。
代表的な料理としては、“ビゴリ·イン·サルサ”
たっぷりの玉ねぎと、白ワイン、アンチョビのソースで絡めた1品。
それからよく本で見るのは、このビゴリに、ワタリガニのソース。
ヴェネツィアは街のほぼ全域が運河に覆われている、魚介類で有名な街。
その中でも、春と秋に食べられるソフトシェルクラブは有名。
話はそれましたが、ワタリガニのソースでいただくビゴリは、何とも色鮮やかで是非食べてみたいです。
②、タヤリン(tajarin)
タヤリン(tajarin)
ピエモンテ州の代表的パスタ。
タリオリーニの別名、タリエリーニのピエモンテ方言がタヤリンです。
このパスタの特徴は、卵黄のみでセモリナ粉をまとめるところにあります。
そのため、パスタ自体細いのですが、コシが強く風味が豊かであるというところです 。
タヤリンといえば、ピエモンテ州のアルバ地方の白トリュフ。
バターソースで和えたタヤリンの上に、白トリュフを薄く削る。
すると、ゆらゆら揺れる白トリュフに熱が加わり豊潤な香りが店中に立ち込める。
好きな人にはたまらない1品です。
ちなみに黒いダイヤという言葉はご存知でしょうか?
そうです黒トリュフのことです。お値段は黒トリュフ100グラム-20000円位。
天候によって相場は変わりますが。
季節も、サマートリュフと、秋トリュフですと、やはり違います。
そして、その何倍もするキノコがあるのをご存知だろうか?
白トリュフです。
お値段は100グラム-100000円位(^-^;ドヒャ
パスタに、専用のトリュフスライサーでスライスしてかけるのですが、
だいたい5グラム位です。
もう言わなくても大丈夫ですよね?この奇跡のキノコ達に負けないパスタがタヤリンなのです。
③、ピッツォッケリ(pizzoccheri)
ピッツォッケリ(pizzoccheri)
ロンバルディア州北部ヴァルテリーナ地方のパスタです。
ピッツォッケリと言えば、ヴァルテリーナ地方。
寒冷地の産物としてそば粉、それからちりめんキャベツとジャガイモです。
あと、忘れてはならないのはフォンティーナチーズです。
人によってはタレッジオを使うシェフもいらっしゃるようです。
ソースとしてはセージ、バター。
シンプルにパスタの風味を楽しめ、フォンティーナチーズのコクと野菜の味わいに感動します。
このパスタとの思い出は、そば粉ですよね 。
そば粉は現在はアレルギー食品として認知している方も多いと思います。
そばがアレルギーの方にとっては、ピッツォッケリと同じボイラーで茹でたパスタも、当然のようにNGですから、
要望があった場合は、最大限注意させていただきました。
そば粉のアレルギーは舐めてはなりませんからね。
(2)イタリア中部のパスタ達
①、カッペレッティ(cappeletti)
カッペレッティ(cappeletti)
エミリア=ロマーニャ州の詰め物パスタです。
このパスタも土地ごとに名前が変わる。
フェッラーラ周辺の呼び名はカッペラッチ。ボローニャのトルテリーニ。マントヴァ地方ではアニョリ。
この手のパスタの詰め物は、基本肉かチーズが多い。
それは、肉は食べきれない分は保存食として持っていたり、チーズも常に身の回りにある。
いかに食材を美味しく食べるかという、当時のイタリア人の食に対する工夫である。
語源は「小さな帽子」
よく、リング状のラヴィオリと言われます。
②、タリアテッレ(tagliatelle)
タリアテッレ(tagliatelle)
手打ちロングパスタの代表ですよね。
エミリア=ロマーニャ州などイタリア全土で作られています。
語源は「切ったもの」
タリアテッレの王道ソースといえば、「サルサ·ボロネーゼ」(ボローニャ風ラグー )
あまりにも有名なボロネーゼですが、その作り方はシェフの好みによって、
トマトが強かったり、赤ワインをより効かせるとか、
肉も細いひき肉で作るシェフもいれば、わざと肉を手切りにし、粗くして、ゴロッと感を出すシェフもいたり千差万別です。
(3)イタリア南部のパスタ達
①、ロリギッタス(lorighittas)
ロリギッタス(lorighittas)
サルデーニャ州の西部、オリスターノ周辺が起源のパスタ。
語源は「指輪」
このパスタを知ったのは本当に最近で、
勤めていたレストランのマネージャーが、「このパスタ知ってる?」と言われて、
こんなパスタがサルディーニャにあるのか!と驚いたものでした。
形としては、生地を棒状にして、それを二重にしてねじる。
ソースは、サルシッチャのトマトソースが多かったですね。と言いいますか、それしか合わせたことないです。
②、クルルジョネス(culurgiones)
クルルジョネス(culurgiones)
サルデーニャ州東部オリアストラ地方発祥のパスタ。
麦の穂に似せた形が特徴です。
一種のラビオリで、中身はじゃがいもとミントが一般的です。
一般的と言っても、このパスタ料理自体が一般的ではない。
サルデーニャ専門のお店にでも行かないと見たこともないのが現状です。
では何でブログで紹介したか?
それはコイシェフがこのパスタを食べて感動したからです(自分勝手ですみません)
このパスタはその年の豊作を祈願して作られます。
中身のジャガイモとミント、ソースはトマトソース。
それから忘れてはならないのはペコリーノ。
料理は香りを引き立たせることがとても重要です。
このパスタは食べるとミントの香りが鼻に抜けて、何とも言えない清涼感と、ペコリーノのコクを感じる一品です。
③、クスクス(couscous)
クスクス(couscous)
クスクスといえばシチリア州です!
モロッコなどの北アフリカから、シチリアの北西部トラパニという港町に伝わりました。
フランスでもクスクスは有名ですが、イタリアとは別ルートで伝わっているため、食べ方が異なります。
フランスのクスクスは主にイスラム教圏から伝わったもので、羊肉で作られる場合が多い。
僕の勤めていたレストランで、シチリア料理を専門にしているシェフと一緒に働く機会がありまして、
その際教えていただきました。
まず、クスクスを手作りしたのが初めてでした。
セモリナ粉に水をかけながらダマにしていき、それをこした物を玉ねぎやローリエ、ミントなどと一緒に蒸す。
とても手間がかかる作業ですが、それだけの価値があります。
このクスクス、シチリアでは魚介のエキスたっぷりのスープをかけていただく。
海老や魚介類、特に必要と言われているのがカサゴ。
とにかく魚介類を豊富に使い、盛り付ける贅沢な皿です。
(まとめ)
このパスタ紹介編ですが、調べれば調べるほど奥が深く、全4回になると思います。
全てがそうなのでしょうが、物事には理由があります。
パスタ達は理由があり、その土地その土地に生まれ、根付いたというわけです。
イタリアにはスローフードの文化があります。
その土地その地域でしか食べられない料理があります。(地方料理編をお待ち下さい)
パスタもそのひとつです。
これからもそんな文化を大切にしていきたいとコイシェフも思います。
さて、というわけで第2回目も宜しくお願い致します。
ciao! arrivederci! バイバイ(^^)v
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