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よくパスタ料理とか、スパゲッティ料理とか言いますけど、
どっちがどっちなのか?
と言うか同じじゃないの?
今日はこんな疑問について話します。
パスタについては一回では話しきれないので、何回かに分けますね。
それではいってみましょう!
(1)そもそもパスタって何?
イタリア料理に関するアンケート調査で、
パスタとスパゲッティの違いを説明するのにこんな珍回答があったそうです。
「具が中心に乗っているのはスパゲティで具が混ざっているのはパスタです」などなど。
正しくは、イタリアの麺類の総称がパスタでその中にスパゲティがありマカロニありペンネありラビオリありということです。
①、パスタの歴史を簡単に
普段何気なく食べているパスタの起源には、古代ギリシャ説や、中国説があります。
東方見聞録の、かのマルコポーロがイタリアに伝えたとも言われています。
パスタの起源は古代ローマ時代、南イタリアがギリシャの植民地だった時代に、
ラガノン(揚げたり焼いたりしたパスタをスープに入れて食べるもの)や、
アカリア(小麦粉を練っただけのもの)を食べていたことに始まると言われています。
中国説は麺発祥の地であるところから来ています。
確かに中国でよく食べられている麺は幅広で、パスタのタリアテッレに似ています。
この麺を「東方見聞録」でよく知られているマルコ·ポーロが母国イタリアに持ち帰ったと言われています。
しかしながらその当時、イタリアに麺を持ち帰るには日数がかかるので、乾燥パスタでなければ不可能と言えます。
また「東方見聞録」には乾燥パスタについての記載がないため、先に紹介した古代ギリシャ説が有力であると言われています 。
②、古代ローマ時代のパスタ
古代ローマ時代、南イタリアで、ギリシャ人によってラガノンやアカリアが伝えられましたが、
イタリア各地にパスタが普及し始めるのは、13~14世紀と言われています。
現在の乾燥パスタは、アラビア人の隊商が砂漠を通行する際に、
腐りやすい小麦粉を水で練って、それを乾燥させて持ち歩いたのが始まりと言われています。
その技法がヨーロッパ各地に伝わり広がりますが、特に南イタリアで定着して一般の人にも食べられるようになりました。
当時のパスタ作りはマディア(木の槽)に小麦粉を入れて、
天井から吊るした紐に人が捕まって足で踏みながら生地を練る、という大変な重労働でした。
ですからこの乾燥パスタは、当時の人たちにとって画期的なものでした。
イタリアは南北に細長く、スイス、オーストリアの国境の近くに山岳部、
イタリア中央部を走るアペニン山脈、地中海、ティレニア海、イオニア海などに面する沿岸地区など自然が豊かで、
魚介類、野菜、ハーブなどパスタ料理に適した食材が豊富だったこともイタリアにパスタが定着した大きな要因と言えます。
17世紀ごろのイタリアの庶民はパスタを手で食べていました。
時のナポリ国王フェルディナンド2世も大のパスタ好きでした。
このパスタ料理をどうにかして宮廷の晩餐に出さないのかと考え、部下に命じて、
当時使用されていた3本歯のフォークをパスタを絡め取る事ができ、口の中に入れても安全なように4本歯に改良して、
外国からの大切なお客にパスタ料理を出せるようになったとの逸話が残っているほど、パスタはイタリア人にとって切り離せないものなのです。
③、産業革命
18世紀の産業革命により、パスタを押し出す圧力機の動力が、蒸気機関へそして電動機へと変わっていきます。
1917年にはスクリューを使った連続式圧力機が発明され、パスタの量産に大きな影響を与えます。
また、パスタの乾燥も今までは天日による乾燥でしたので、天候に大きく影響されていましたが、
1875年にディ·チェコによって人工乾燥機が開発され、天候に左右されることなくパスタが作られるようになりました。
1933年には連続式製造設備を開発し小麦粉と水を練る作業から、押し出し、成形、乾燥までを一貫して生産するシステムを作り出したおかげで、
パスタの生産量が大幅にアップしました。
④、日本のパスタ事情
日本でのパスタの歴史は、明治28年にイタリア帰りの新橋のレストランシェフが、メニューにパスタ料理を加えたのが初めてと言われています。
その後、昭和初期から少しずつ国産化が進みましたが、当時ではまだまだ珍しいもので、
ホテルや一流レストランでしか口にすることができませんでした。
一般家庭に普及し始めたのは、イタリアから全自動式パスタ製造機が輸入され、大量に生産できるようになった昭和30年以降からです。
(2)メニューにあるスパゲッティ、本当はスパゲッティじゃないんじゃない?
日本人は麺の太さや、断面の形に関係なく、細長いパスタはだいたいスパゲティと呼んでいます。
ミリ単位以下の太さの違いや、断面が丸い、平べったいなどの形の違いやらを、いちいち呼び分けたりはしてない人が多いですね。
イタリアでは、ほんのわずかな違いでそれぞれの麺に固有の名前を付けています。
- スパゲッティ(spaghettI)直径1.8~2mm
- スパゲッティーニ(spaghettini)1.6mm位
- フェデリーニ(fedelini)1.4mm前後
- カッペリーニ(capelini)0.9mm前後
日本も、もとはスパゲティ中心でしたが、20年ほど前から細いものが好まれ始め、
今ではスパゲティーニが主流になってしまいました。
とはいえ、わざわざ呼び分ける人は少数です。
レストランではスパゲティーニを使っていても、日本語で分かりやすくスパゲティと書いているところが結構あります。
イタリアでも、1970~80年代に高級レストランで細めのパスタが取り入れられるようになりました。
食感が軽く感じられ、見た目も上品なところがレストランに合致したんですね。
日本人の好みもここにあったようです。
細い方が茹で時間が短くて済むことや、アルデンテの食感を出しやすいことも好まれた一つの理由でしょう。
(まとめ)
イタリアのパスタについて、その歴史や、起源について少しひもときました。
パスタの太さについても話しましたが、好みは人それぞれとはいうものの、
カッチョ·エ·ペペのように具のない麺主体のものは、太めのスパゲティが美味しいと思います。
逆にカラスミのスパゲティのようなオイル系のパスタではスパゲティーニの方が 美味しく感じると思います 。
今日、このブログを読んで下さった方は、ソースによって、パスタを使い分けることをお勧めします。
次回のパスタ語源編2では、パスタの形についてお話ししようと思います。
ciao! arrivederci!バイバイ(^^)v
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